疫学と医療統計学と遺伝学と時々、大学院生活

疫学を専門とする大学院生の研究に関する備忘録的ページ。

Genetic epidemiology

R bioconductor"snpStats"を使用した、PLINKフォーマットのデータからRのデータに変換する

今回は、PLINK特有のファイルフォーマットである.bed、.bim、.famからRでの処理に適した形式に変換するbioconductorのsnpStatsというパッケージについて説明する。PLINKでの解析については、過去の記事1, 2をご参考にして頂きたい。今回使用するデータはこの…

アメリカにおける個人の遺伝子検査サービスに関する消費者の意識調査

今回は、文献の紹介をするとともに、個人の遺伝子検査サービス前後で消費者の意識がどのように変わっているかを紹介したい。論文のタイトルはDirect-to-Consumer Genetic Testing: User Motivations, Decision Making, and Perceived Utility of Resultsであ…

R package "BLR"でベイジアンラッソ(Bayesian Lasso regression)

あけましておめでとうございます(疫学会や予防早期医療創成センターのワークショップ等への参加もあり、一ヶ月ぶりの更新です)。 今回はRのパッケージ"BLR"を用いて、ベイジアンラッソを実行する。ちなみに参考にするのは、Cedric Gondroらによる『Genome …

R データの読み込み(高速化)

今回はSpringerから出ている『Genome-Wide Association Studies and Genomic Prediction』という本からデータの読み込みについて記述する。GWASなどのゲノムデータは非常に膨大であり、読み込みだけでもかなりの時間を要する。そこで下記のTipsで幾分改善さ…

PLINKで共変量を加えたassociation testを実行する。

今回は、9月22日の記事に加えて、共変量で調整する(その他の細かい設定もする)GWASについてコマンドを記しておく。 jojoshin.hatenablog.com 最も簡単なコマンド plink --bfile データ名 --assoc --out アウトプットするデータ名 共変量を加えたロジスティ…

レアバリアント解析

今回はレアバリアント解析についてまとめた資料を公開しておきます。 このスライドの内容 内容は、Lee S, et al (2014) Rare-variant association analysis: Study designs and statistical tests. Am J Hum Genet. をもとにしています。他にも日本語の書籍*…

朝型人間(morningness)の遺伝的な要素とは...

今日は朝型人間(Morningness)を規定する遺伝子の紹介です。(結果が膨大なので、交互作用やpathway解析の部分は省略していますので、もし気になる方は本文をご参照下さい。また、かなり学術的な解説なので、あまりお勧めはしませんが、簡単な解説をご希望…

R package'metap'を使用して、p値の統合をする

こんにちは。今回は異なる環境や場所で行った同様の実験や研究によって導かれたp値を統合しようという試みがあった時の対処法について、Fisher's methodを取り上げて、今回は説明します。 FIsher's methodとは i個あるp値のlogをとった値を足し合わせて、そ…

PLINKでGWAS(basicなcase/control study)をするコマンド

今回はPLINKで典型的なSinge-SNP GWAS(アレルベースのカイ2乗検定)を実施する。元々、plinkが使えるディレクトリ内にbim,bed,famファイルが生成されていることが前提条件である。その他の方法についてはまた別の機会に書くことにする。 コマンド plink --b…

日本人における集団の構造化(Population stratification in Japan)

こんばんわ。今日は以前の投稿でも取り扱ったGWASのcase-control studyで問題となり得る「集団の構造化(以下PF)」について書きます。今回は『Japanese Population Structure, Based on SNP Genotypes from 7003 Individuals Compared to Other Ethnic Grou…

R package 'SKAT'を用いて、SKATを実行する vol.2

こんばんは。前回のSKATの記事の内容に少し付け加え(Kernelの種類を増やして検討しただけ)をします。基本的な解析は前回の記事をご参照下さい。 jojoshin.hatenablog.com はじめに 前回の記事にも記載した通り、SKAT()は二値のアウトカムには適しておらず…

企業家精神(entrepreneurship)の遺伝的な要素とは...

だいぶ更新の時期が空きましたが、研究の方が順調に進んでいるという証拠だと個人的にはポジティブに捉えているところです。今回は文献紹介です。特に学術的な「面白さ」というよりは社会的な「面白さ」で題材を選びました。GWASというのはこれまでもご説明…

罰則付き・正則化回帰モデルについて(About penalized/regularized regression model)

久しぶりの更新になりました。6月末の北海道でのISEE-ISES AC2016への参加とその後は論文執筆に集中していました。ISEE-ISESのアジア支部総会では、pre-conference workshopにも参加し、distributed lag non linear model(DLNM)という時系列分析の一種を学…

mach2datのアウトプット vol.1

今日は以前のエントリで解説したインピュテーションされたGWASデータ(調整項目を指定したロジスティック回帰)を解析するmach2datによって出力されるデータの解釈について、記述する。(確か、前回はREAD ME読んでくださいとか言って、解説をしていませんで…

Genetic model (遺伝モデル)とは

今回は特定の遺伝継承のパターンであるGenetic modelについて、記述する。 ここではよく扱われる4つのパターンの性質を定義する。 前提条件 AとBというアレルを持つマーカーMを仮定する。 マーカーMの遺伝子型は、、と表記する。 アレルの頻度は、と表記する…

Rで遺伝子多型とアレルの頻度を算出するコマンド:genotype()

今日はあるSNP(一塩基多型)の遺伝子多型とアレルの頻度を算出するコマンドを紹介する。今回は2016年1月に発売された『実践でわかる!Rによる統計遺伝学』の内容も参考にしている。 初めに 今回使用するデータを丸善のサポートページ(http://pub.maruzen.co…

IBM Edge2015でのPharmacogeneticsに関するプレゼンテーション

今回はIBM Edge2015でのPharmacogenetics(ゲノム薬理学)による個別化医療に関するScott Megill, CEO of Coriell Life Sciencesのpresentationを紹介する。すぐにご覧頂けるように、動画はこのサイトに埋め込んでおきました。www.youtube.com ご覧できない…

飲酒と遺伝子の関係

今回は飲酒と遺伝子の話。 比較的わかりやすい内容で、数少ない一般の人にも読みやすい記事にしました。 はじめに お酒に「強い」「弱い」ってありますよね。顔が赤くなったり、気持ち悪くなったり、二日酔いになったり、それぞれ個人差があると思いますが、…

R package 'SKAT'を用いて、SKATを実行する

今回はSNP-set Kernel Association Test(SKAT)と呼ばれるrare-variantの解析手法についてRのパッケージ'SKAT'を用いて、解説する。 追記 20160908に新しいSKATの記事を公開しています。基本的にはこのページの内容を参照していただき、さらに詳しいところ…

質的形質の解析手法1-まずは表を書く-

今回は質的な形質をアウトカム(疾患の有無、基準値以上もしくは以下)とするデータの評価方法の第一歩について記述する。例によって、遺伝子多型を利用した解説ではあるが、一般的な質的変数の評価も非常に似ているので、参考にしてほしい。 (なお、今回の…

Rでglmを用いてオッズ比を算出するコマンド

今回はRを用いた場合のオッズ比の求め方を記述しておく。 (オッズ比がで求めることができることを知っていれば、簡単に理解できる。) はじめに 医学研究を行う上で、なんらかの指標で群分けしたグループでのある事象のおこりやすさ(オッズ)を比較するこ…

mach2datのexample dataを動かす方法

今日はimputationされたGWASデータの解析を行うのツールであるmach2datの使用方法について記述する。 (全く分からず情報系の友人に尋ねたところすぐに返事が来て、できるようになった。大変ありがたい限りである。) mach2datとは machによってインピュテー…

Power Programの紹介

今回はsingle marker analysisでのサンプルサイズとパワーアナリシスに有用なNational Cancer Instituteによって開発されたフリーツールを紹介する。This introduction to the Power program, which is a useful tool to calculate smaple size and power fo…

QCの実行

今回は先日書いたGWASのQCに関して、『Primer to Analysis of Genomic Data using R』の第3章のサンプルデータを使用して実施する。 はじめに ここで使用するデータはヒトではなく、83頭の羊54,977SNPsを使用してトレーニングする。今回のSNPsはイルミナ社の…

GWASにおけるQC(Quality control)の手順

今回はGWASのデータ解析のプロセスの中でも最も重要と言っても過言ではないQuality Controlについてまとめる。 米国Vanderbilt大学(生物統計等で著名な大学)のStephan Turnerらが2011年に発表した「Quality Control Procedures for Genome Wide Associatio…

R package 'qqman'の基本的な使用法

今回はRのqqmanというパッケージの基本的な使い方をまとめる。 【ページ下部に追記あり(20160922)】 概要 現在、ゲノム全体10万から50万ほどのSNPsと疾患との関連を探索するGWASが可能になっている。そこでその結果を可視化する際に用いるのがマンハッタン…

集団の構造化( Population Stratification)

今回は遺伝疫学のトピックの一つである「集団の構造化(population stratification)」についてまとめる。 集団の構造化とは 集団の構造化とは、、、 サンプル集団中に異なる遺伝的背景を持つサンプルが混在している状態をいう。すなわち、人種、民族、地域…